「速記を習い始めたけど、省略法って何?」「略符や略字との違いがわからない」と悩んでいませんか?省略法は、速記の速度を飛躍的に高める中核技術です。この記事では、省略法の定義から6種類の分類、早稲田式・中根式・衆議院式の方式別比較、そして初心者でも今日から実践できる覚え方・練習法まで体系的に解説します。省略法をマスターすることで、速記の習得スピードが大幅に向上します。
【30秒で理解】省略法の定義と速記における重要性

速記の世界には「省略法」という技法が存在します。
一見難しそうに聞こえますが、その本質は「音を省いて素早く書く」という非常にシンプルな発想です。
ここではまず、省略法の基本的な定義と、速記において省略法が果たす重要な役割を30秒で理解できるよう整理します。
省略法とは「音を省いて書く技法」
省略法とは、単語や語句を構成する音の一部を意図的に省いて速記符号を書く技法・ルールの総称です。
たとえば「ありがとうございます」という言葉を速記する際、すべての音を忠実に書き取るのではなく、特定の音を省いて短い符号で表現します。
日本語速記における省略法の基本的な考え方は、「省いても文脈から復元できる音は省く」というものです。
たとえば「くださいまして」の「く」「つ」「ら行」などは省略しても意味が通じることが多く、こうした音を体系的に省くルールが省略法として整備されています。
省略法は単なる「手抜き」ではなく、言語学的な根拠に基づいた科学的な省略ルールであることが重要なポイントです。
参考:省略法 – 速記学習者
省略法が速記上達に欠かせない理由
速記の基礎符号だけを習得しても、実際の会話速度(一般的に1分間に約300〜400文字)には対応できません。
日本速記協会の資料によれば、1つの線や点で3音〜4音を省略する省略法を活用することで、初めて実用的な速記が可能になるとされています。
省略法を使いこなすことで得られる主なメリットは次の3点です。
- 書き取り速度の向上:1語あたりの筆記量が大幅に減少し、処理速度が上がる
- 疲労の軽減:手の動きが少なくなることで、長時間の速記でも疲れにくくなる
- 読み取り精度の向上:省略パターンが習慣化することで、解読もスムーズになる
省略法なしには速記技術は完成しない、と言っても過言ではありません。
省略法・略符・略字の違いを図解で比較

速記を学び始めると「省略法」「略符」「略字」という似たような言葉が次々と登場します。
これらは混同されがちですが、それぞれ明確に異なる概念です。
ここでは各用語の定義を整理し、比較表でわかりやすく解説します。
省略法=音を省く「ルール・技法」
省略法は「技法」であり「ルール」です。
特定の音節パターンを省略する際の判断基準や方式を指します。
たとえば「語尾の音を省く」「同じ行の音が続く場合に省く」といった適用条件と手順がセットになっているのが省略法の特徴です。
省略法はいわば「どのように省くか」の方法論であり、速記全体のシステムを支える根幹的な技術体系です。
略符=単語を1符号で表す「記号」
略符は「記号」つまり成果物です。
頻繁に使われる単語や語句を、1つの符号(記号)で丸ごと置き換えたものが略符です。
たとえば「について」「ということ」といった頻出表現を、1画で表す専用記号として定めたものが略符にあたります。
略符は省略法のルールを適用した結果として生まれる場合もありますが、慣習的に定められた符号である点が省略法(ルール)との違いです。
略字=漢字の簡略表記
略字は「漢字の簡略化された表記形式」を指します。
速記においても、固有名詞や漢語を速記する際に漢字の略字を活用する場面があります。
明治期に熊崎健一郎が開発した熊崎式速記でも「和漢字代用省略法」として、広く知れ渡った固有名詞や格言・成語を仮名や簡単な漢字で省略する方法が推奨されていました。
略字は速記固有の技術というより、日本語表記の慣習から取り入れられた補助的な手段と位置づけられます。
参考:明治期の速記術に取り入れられた漢字と乎古止点(PDF)
【一目でわかる】3つの違いを整理した比較表
以下の比較表で3つの違いを整理しましょう。
| 用語 | 種別 | 内容 | 例 |
|---|---|---|---|
| 省略法 | ルール・技法 | 音を省く方法・判断基準 | 語尾の「す」を省く |
| 略符 | 記号・符号 | 単語を1符号で置き換える | 「について」を1画で表す |
| 略字 | 文字表記 | 漢字の簡略化された書き方 | 「國」→「国」など |
「省略法=やり方」「略符=記号」「略字=文字」と覚えると整理しやすくなります。
速記の省略法6種類を一覧で解説

速記の省略法には複数の種類があり、それぞれ「どの位置の音を省くか」「どのような条件で省くか」が異なります。
ここでは代表的な6種類の省略法を、具体例とともに解説します。

頭音省略法:語頭の音を省く
頭音省略法とは、単語や語句の最初の音(語頭音)を省略する技法です。
語頭音が省かれても、残りの音と文脈から元の単語を復元できる場合に適用されます。
たとえば「おはようございます」のような定型挨拶表現では、語頭の「お」を省いても受け取り手は文脈から復元できます。
頭音省略法は、特に定型句や敬語表現に適用される頻度が高い省略法です。
ただし、語頭音が識別の鍵になっている単語(例:「あ〜」と「い〜」を区別する場合)には適用に注意が必要です。
尾音省略法:語尾の音を省く
尾音省略法とは、単語や語句の語尾部分の音を省略する技法です。
日本語は語尾の変化(活用)が豊富なため、語尾音を省略しても文脈から復元しやすい場合が多いです。
たとえば動詞の活用語尾や、「〜ます」「〜です」などの丁寧語の語尾は省略候補になりやすいです。
早稲田式速記では「ます」「です」の省略が体系的に整備されており、初心者が最初に習得する省略法の一つです。
詳しくは以下の動画もご参考ください。
中音省略法:中間の音を省く
中音省略法とは、単語の中間部分に位置する音を省略する技法です。
日本語には「く」「つ」「ら行」など、発音が弱くなりやすい音が中間に入るケースが多くあります。
早稲田式速記では「ク音省略法」「ツ音省略法」「ラ行省略法」として体系化されており、テキスト第1冊目から学ぶ基本的な省略法として位置づけられています。
たとえば「ください」の「く」を省略したり、「まったく」の「っ(つ)」を省略するといった形で使われます。
中音省略法は頭音・尾音の省略に比べて復元判断がやや難しいため、文脈依存度が高い省略法といえます。
以下の動画ではク・ツ音省略について詳しく解説されています。
縮記法:複数音を1符号に圧縮する
縮記法とは、複数の音をまとめて1つの速記符号に圧縮して表現する技法です。
省略法の中でも最も速度向上効果が高いとされており、日本速記協会の資料でも「1つの線または点で3〜4音を省略する省略法」として紹介されています。
縮記法の特徴は、単純に音を「省く」のではなく、複数の音を「統合・圧縮」する点にあります。
頻出する音節の組み合わせや語句全体を1符号で表すため、習得後の速記速度向上効果は非常に大きいです。
同音省略法:同じ音の繰り返しを省く
同音省略法(同行省略法)とは、同じ音または同じ行の音が連続する場合に、重複部分を省略する技法です。
早稲田式速記では「同行省略」として体系化されており、テキスト第1冊目で学ぶ重要な省略法のひとつです。
たとえば「かかる」「ここで」のように同じ行の音が重なる場合、2回目以降の符号を省略または簡略化します。
同音省略法は「連続する音の冗長性」を排除することで、筆記量を大幅に削減できます。
以下の動画で同行省略の実際の使い方を確認できます。
助詞省略法:助詞を文脈で補う
助詞省略法とは、「は」「が」「を」「に」「で」などの助詞を省略し、前後の文脈から補って読み取る技法です。
日本語は助詞が豊富な言語ですが、多くの場合、助詞がなくても文意が通じる特性があります。
たとえば「私は学校に行く」を「私 学校 行く」と助詞なしで速記しても、文脈から復元できます。
ただし、助詞省略法は「が」と「は」、「に」と「で」など意味が変わるケースでは慎重に適用する必要があります。
速記検定の上位級では助詞の正確な復元が求められるため、省略した助詞を確実に復元できる能力の養成も重要です。
【方式別】早稲田式・中根式・衆議院式の省略法を比較

日本の主要な速記方式には「早稲田式」「中根式」「衆議院式」があり、それぞれ省略法の体系や特徴が異なります。
自分が学ぶ方式の省略法を正確に把握することで、効率的に習得を進められます。
早稲田式速記の省略法の特徴
早稲田式速記は、日本で最も普及している速記方式のひとつです。
早稲田式の省略法は以下のように体系化されています。
- 重音省略:同じ音が重なる場合の省略
- クキツチヒ音省略:特定の子音音節の省略
- ラ行省略:ラ行音の省略
- 同行省略:同じ行の音が連続する場合の省略
- 加点省略法:点を加えることで音を省略する方法
- 交差簡略法:符号を交差させて省略する方法
- 簡字(常用語の省略):頻出語句を1符号または簡略化した符号で表す
早稲田式では「代使文字」として特定の音節を別の文字で代用する仕組みもあり、「ア、イ、キ、ク、ケ」などを代使文字として活用します。

中根式速記の省略法の特徴
中根式速記は、早稲田式と並ぶ日本の主要な速記方式です。
中根式の省略法体系には以下のような要素が含まれています。
- 略法:音節の省略に関する基本ルール
- 四種線略字:4種類の線形を用いた略字体系
- 基本文字略字:基本文字を変形・簡略化した略字
- 符号類略字:符号を使った略字表現
中根式は超中根式など派生形式も存在し、「森卓明の体系」として独自の発展を遂げた系統もあります。
参考:各速記法則体系
衆議院式速記の省略法の特徴
衆議院式速記は、国会議事録の作成を主な目的として発展した速記方式です。
公式の議事録作成に使用されるため、省略法においても高い正確性と復元性が求められます。
衆議院式の省略法の主な特徴は次のとおりです。
- 議事速記という実務目的に最適化された省略体系
- 一般的な速記方式と比較して、復元精度を最優先した省略ルール設計
- 五十音をあらわす基礎符号に加え、複数音を圧縮する省略法を体系的に組み合わせた構成
- 長期間の実務運用を経て洗練された、実践的な省略ルール群
3方式の省略法を比較した一覧表
以下の表で、3つの速記方式の省略法の特徴を比較します。
| 比較項目 | 早稲田式 | 中根式 | 衆議院式 |
|---|---|---|---|
| 省略法の体系化 | 非常に詳細・段階的 | 独自の略字体系あり | 実務特化型 |
| 主な省略手法 | クキツチヒ・ラ行・同行省略など | 四種線略字・基本文字略字など | 複数音圧縮省略 |
| 復元性 | 高い(ルールが明確) | 高い(略字体系で管理) | 最高水準(実務要件) |
| 学習難易度 | 段階的で学びやすい | 中程度 | 高い(専門訓練が必要) |
| 主な使用場面 | 一般速記・検定 | 一般速記・検定 | 国会議事速記 |
自分の目的(趣味・検定・実務)に合わせた方式を選び、その方式の省略法体系に沿って学習を進めることが重要です。
省略法の覚え方と練習法【3ステップ】

省略法は種類が多く、一度に全部覚えようとすると挫折しやすいです。
ここでは初心者でも着実に習得できる、3ステップの学習アプローチを紹介します。

ステップ1:頻出省略法10個を優先的に暗記する
最初から全種類の省略法を習得しようとするのは非効率です。
まず使用頻度の高い10個の省略法に絞って完全に習得することが最短ルートです。
優先的に習得すべき省略法の目安は次のとおりです。
- 「ます」の尾音省略
- 「です」の尾音省略
- 「ください」のク音省略
- 「まったく」のツ音省略
- 同行省略(ラ行・カ行など)
- 「ある」「いる」のラ行省略
- 「について」の略符
- 「ということ」の略符
- 助詞「は」「が」の省略
- 「おります」「ございます」の省略
これらを確実に使いこなせるだけで、日常的な速記の速度は大幅に向上します。
暗記の際は、視覚・聴覚・手の動き(書く)の3チャンネルを同時に使うと記憶に定着しやすいです。
ステップ2:例文を使って文脈ごと練習する
省略法は「単体で覚える」より「文脈の中で使う」ほうが定着が早いです。
例文練習の具体的な進め方を以下に示します。
- 短文から始める:5〜10文字程度の短い文で、使う省略法を1〜2種類に絞る
- 音読しながら書く:声に出しながら速記することで、音と符号の対応が強化される
- 繰り返し書く:同じ例文を最低10回書き、手が自動的に動くまで定着させる
- 文脈を広げる:短文から段落、段落から長文へと徐々にステップアップする
速記研究会の実践例でも、省略を使うと「筆記量が減り、速く書けるようになる」と報告されており、例文を使った地道な練習の効果が確認されています。
参考:2冊目の省略をつかって書いてみた – 速記研究会の日常
ステップ3:音声を聞きながら実践トレーニング
省略法の最終的な習得は「実際の音声を聞きながら速記する」リアルタイムトレーニングによって完成します。
音声トレーニングの具体的な方法は次のとおりです。
- テレビ・ラジオのディクテーション:ニュースや対談番組を聞きながら速記し、省略法を自然に使う
- 速記専門の練習音声を使用:速度設定(1分間100〜300字)を段階的に上げていく
- 速記後に読み戻し:自分が書いた速記を翌日に読み戻し、省略法が正確に復元できるか確認する
以下の動画では早稲田式速記の実際の動作を視覚的に確認でき、省略法がどのように使われるかが把握できます。
音声トレーニングを週5日、1回20〜30分継続することで、3ヶ月程度で省略法を実用レベルで使いこなせるようになるケースが多いです。
省略法を使いこなす3つのコツ

省略法を習得しても、使いこなし方を誤ると速記の精度が下がるリスクがあります。
ここでは、省略法を安全かつ効果的に活用するための3つのコツを紹介します。
復元できる範囲で省略する
省略法の大原則は「省略しても後から確実に復元できること」です。
速く書けることを優先するあまり、後で読み戻せない省略をしてしまうと速記の意味が失われます。
実践的なチェック方法として、速記した文章を2〜3日後に読み戻し、すべての省略部分を正確に復元できるか確認する習慣をつけましょう。
復元できない省略が多い場合は、省略の範囲を一時的に狭め、確実に復元できる省略だけに絞り込むことが大切です。
使用頻度の高い語句から適用する
省略法の効果を最大化するには、日常的に頻出する語句・表現から優先的に省略法を適用するのが効率的です。
使用頻度の低い単語に省略法を無理に適用しても、覚えるコストに対して速度向上の効果が少ないです。
具体的には「です・ます」「ありがとうございます」「ということ」「について」など、会話や文章に頻繁に登場する表現から始めると効果的です。
頻出語句への省略法適用を優先することで、学習コストに対して最大の速度向上効果が得られます。
定期的に見直して最適化する
省略法の習熟度は学習段階によって変化します。
初心者の頃は使える省略法が少ないですが、学習が進むにつれて使える省略法の数が増え、省略の深度も上げられるようになります。
月に1回程度、自分の省略法の使い方を見直すことで、現在の習熟度に合った最適な省略レベルにアップデートできます。
見直しの際は、「まだ活用できていない省略法はないか」「以前は難しかった省略法が今は使えるようになっていないか」を確認するといいでしょう。
今日から使える頻出省略法10選【実践編】

ここでは、速記初心者が今日から実践に取り入れられる頻出省略法を10個厳選して紹介します。
これらをマスターするだけで、日常的な速記の効率が大幅に向上します。

助詞・接続詞の省略法5選
助詞と接続詞は文章の中に頻繁に登場するため、省略効果が特に高いカテゴリです。
| 語句 | 省略の種類 | 省略のポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
| は(助詞) | 助詞省略法 | 主語が明確な場合に省略可 | 対比の「は」は省略に注意 |
| が(助詞) | 助詞省略法 | 主格が文脈から明確なら省略 | 逆接の「が」は省略に注意 |
| を(助詞) | 助詞省略法 | 目的語が明確なら省略可 | 比較的省略しやすい助詞 |
| そして(接続詞) | 略符 | 頻出接続詞のため略符化 | 話の流れが変わる場合は明示 |
| しかし(接続詞) | 略符 | 逆接の接続詞のため略符化 | 意味が変わるため正確に |
助詞の省略は文脈依存度が高いため、最初は「を」など比較的省略しやすいものから練習することをお勧めします。
敬語・定型表現の省略法5選
敬語や定型表現は会話で繰り返し登場するため、省略法の効果が最も大きいカテゴリです。
| 語句 | 省略の種類 | 省略のポイント | 習得優先度 |
|---|---|---|---|
| ます(語尾) | 尾音省略法 | 語尾の「す」を省く | ★★★(最優先) |
| です(語尾) | 尾音省略法 | 語尾の「す」を省く | ★★★(最優先) |
| ありがとうございます | 縮記法・尾音省略 | 複合的な省略で大幅短縮 | ★★★(最優先) |
| おります | 略符・尾音省略 | 「おり」部分の省略 | ★★(高優先) |
| よろしくお願いします | 縮記法 | 定型挨拶の縮記 | ★★(高優先) |
早稲田式速記では「ます」と「です」の省略が特に体系的に整備されており、初めて速記を学ぶ方は最初にこの2つをマスターすることが推奨されています。
省略法をさらに極めたい方へ【教材・学習リソース】

省略法の基礎を学んだ後、さらに深く習得したい方のために、おすすめの教材・リソースを紹介します。

独学におすすめの定番教材
速記の省略法を独学で学ぶ際の定番教材として、以下のものが挙げられます。
- 早稲田大学邦文速記研究会『早稲田式速記テキスト Vol.1〜Vol.2』:省略法が段階的に体系化されており、Vol.1では基本省略法(クツ音省略、ラ行省略、同行省略)、Vol.2ではさらに高度な省略法を学べます。
- 日本速記協会の検定対応テキスト:検定合格を目指す方向けに、省略法の出題傾向に合わせた内容が整理されています。
- 速記学習者向けウェブサイトのテキスト:検定1級以上を想定した高速文字と省略法の組み合わせを学べます。
参考:省略法 – 速記学習者
無料で学べるオンラインリソース
費用をかけずに省略法を学びたい方には、以下の無料リソースが役立ちます。
YouTubeには早稲田式速記の省略法を解説した動画が多数公開されており、視覚的に学ぶことができます。
以下の動画シリーズは体系的に省略法を解説しており、特に初心者に適しています。
また、noteやブログでも速記学習者が省略法の実践例を公開しており、リアルな学習体験を参考にできます。
参考:2冊目の省略をつかって書いてみた – 速記研究会の日常
速記技能検定での省略法の出題傾向
速記技能検定(日本速記協会主催)では、省略法の習熟度が合否に大きく影響します。
検定における省略法の出題傾向は次のとおりです。
| 検定級 | 省略法の要求水準 | 習得が必要な省略法の目安 |
|---|---|---|
| 3〜4級 | 基本省略法の理解 | ク・ツ音省略、ラ行省略など基本6〜10種 |
| 2級 | 省略法を実際の速記に適用できる | 基本省略法+頻出略符の活用 |
| 1級 | 高度な省略法を速記中に自動的に使用 | 全省略法+高速文字との組み合わせ |
| 段位 | 臨時文字・簡字を含む全省略法の完全習熟 | 創造的省略を含む最上位レベル |
3〜4級段階では基本省略法の正確な理解、1級以上では省略法を無意識に使いこなすレベルが求められます。
まとめ:省略法をマスターして速記力を飛躍させよう

この記事では、速記の省略法について基礎から応用まで徹底解説しました。
最後に要点を整理します。
- 省略法とは「音を省いて書く技法・ルール」であり、略符(記号)・略字(文字)とは明確に異なる
- 省略法の種類は頭音・尾音・中音・縮記・同音・助詞の6種類が代表的で、それぞれ適用場面が異なる
- 方式によって省略法の体系が異なるため、自分が学ぶ方式(早稲田式・中根式・衆議院式)の省略法を優先的に習得する
- 習得の3ステップは「頻出10個の暗記→例文練習→音声トレーニング」であり、段階的に取り組むのが効果的
- 使いこなしの3つのコツは「復元できる範囲で省略」「頻出語句から適用」「定期的な見直し」
省略法は速記における最大の「加速装置」です。
基礎符号を学んだ後、省略法を体系的に習得することで速記の速度は飛躍的に向上します。
まずは今日から「ます」「です」の尾音省略とク・ツ音省略の3つを練習してみましょう。
小さな一歩の積み重ねが、やがて実用レベルの速記力につながります。



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